この記事で分かること
「夏祭りを今年も続けるか」「会費を値上げするか」「在宅勤務の制度を変えるか」など、賛成か反対かを確かめたい場面は、自治会・マンション管理組合・社内・PTAなどでよくあります。ただ、聞き方を少し誤ると、回答が一方に偏ったり、結果の受け止め方でもめたりします。
この記事では、賛成・反対を問うアンケートを作るときの選択肢・質問文の例文と、公平に聞くためのコツを解説します。
賛否アンケートで起きやすい失敗
- 質問文に作成者の意見がにじみ、回答が片方に寄ってしまう
- 「賛成/反対」の2択しかなく、「条件つきで賛成」の人が答えられない
- 何に対する賛否なのか、説明が足りず回答者によって受け取り方が違う
- 理由を聞いていないため、反対が多かったときに次の手が打てない
- 結果を「多数決で決まった」と伝えてしまい、アンケートが投票の代わりになってしまう
最後の点は特に大切です。規約上の決議が必要な事柄(総会での議決など)は、アンケートでは決められません。アンケートは意向を確かめる手段と位置づけ、そのことを案内文にも書いておきましょう。
選択肢の作り方
基本は「4択+わからない」
おすすめは次の形です。
- 賛成
- どちらかといえば賛成
- どちらかといえば反対
- 反対
- わからない・どちらともいえない
2択にすると、迷っている人が無理にどちらかを選ぶことになり、実態とずれた結果になりがちです。一方、「どちらともいえない」を真ん中に置いた5段階にすると、そこに回答が集まりやすくなります。上のように賛否の4段階に「わからない」を別枠で添えると、意見の強さと迷っている人の数を分けて読み取れます。段階評価の考え方は「星評価・5段階評価を使ったアンケートフォームの作り方」も参考になります。
案が複数あるときは「賛否」ではなく「どれがよいか」を聞く
「現状維持/A案/B案」のように選択肢が3つ以上ある場合は、それぞれに賛否を聞くより、「どの案がよいと思いますか」と1つ選んでもらう方が分かりやすくなります。順位をつけてほしい場合は「ランキング形式アンケートの作り方」の方法が使えます。
偏らない質問文の例文
悪い例
毎年多くの方に楽しんでいただいている夏祭りを、今年も開催することに賛成ですか?
前半の「多くの方に楽しんでいただいている」が、賛成へ誘導する説明になっています。
よい例
今年の夏祭りの開催について、あなたのお考えに最も近いものを1つお選びください。
そのうえで、判断に必要な情報(開催にかかる費用、必要な役員の人数、昨年の参加者数など)は、質問文とは別の説明文として、賛成・反対どちらの材料も並べて示します。誘導や二重質問の避け方は「アンケートの質問文の書き方」で詳しく解説しています。
例文:会費の変更
【説明】来年度から自治会費を月300円から400円に変更する案が出ています。変更した場合、年間の収入は約〇万円増え、防犯灯の修繕費に充てる予定です。変更しない場合、修繕は数年に分けて行うことになります。
【質問】自治会費を月400円に変更する案について、あなたのお考えに最も近いものを1つお選びください。
金額や影響は、実際の数字に置き換えてください。
理由を聞く項目を添える
賛否の質問の直後に、自由記述で「そう考えた理由があればお書きください(任意)」を置くと、結果を読むときの手がかりになります。
- 任意にする — 必須にすると回答をやめてしまう人が増えます
- 反対の人だけに聞かない — 賛成の理由も、説明会で何を伝えるべきかのヒントになります
- 「条件つきで賛成」を拾う — 「時間を短くするなら賛成」などの声は、修正案づくりにそのまま使えます
集まった自由記述の整理のしかたは「アンケートの自由記述回答のまとめ方」を参考にしてください。
回答者の属性は最小限に
「何丁目か」「何年住んでいるか」「何歳代か」などを聞くと、属性ごとの違いが見えます(「クロス集計のやり方」参照)。ただし、小さな集まりでは属性を組み合わせると誰の回答か分かってしまうことがあります。本音を聞きたいテーマほど属性は絞り、名前は聞かない設計を検討しましょう。匿名で集めるときの考え方は「匿名で意見を集める「意見箱フォーム」の作り方」にまとめています。
結果の伝え方
- 回答数と回答率を最初に書く — 「対象〇世帯のうち〇世帯が回答」と書くと、結果の重みが伝わります
- 4段階をそのまま示す — 「賛成」と「どちらかといえば賛成」を合算するなら、合算前の数字も載せます
- 主な理由を賛否それぞれ紹介する — 少数意見も要約して載せると、反対した人も納得しやすくなります
- アンケート結果をどう扱うかを書く — 「この結果を参考に、〇月の総会で議案として提出します」など、次の手順を明記します
報告書の書き方は「アンケート結果報告書の書き方」を参照してください。
フォームで作るときの手順
- 説明文ブロックに、テーマと判断材料(賛否両方)を書く
- 賛否の質問をラジオボタン(1つだけ選ぶ形式)で作り、必須にする
- 理由の自由記述欄を任意で置く
- 必要最小限の属性の質問を置く
- 受付期間を設定し、締切を案内文にも明記する
RAKUFOでは、ラジオボタンや自由記述欄を並べるだけで賛否アンケートを作れます。受付期間や回答数の上限も設定でき、集まった回答はCSVで出力して集計に使えます。
向かないケース
- 規約上の決議が必要な事柄 — 総会・理事会など、正式な手続きで決めてください
- 1人1票を厳密に守る必要がある投票 — フォームのアンケートでは、同じ人が複数回答するのを完全には防げません。名簿と照らし合わせる運用が必要です
よくある質問
「どちらともいえない」は入れない方がよいですか?
迷っている人が多いテーマで外すと、実態とずれた結果になります。賛否の4段階とは別に「わからない・どちらともいえない」を置き、集計では分けて扱うのがおすすめです。
賛成と反対が半々だったときはどうすればよいですか?
アンケートだけで結論を出さず、自由記述の理由を整理して論点を示し、説明会や総会で話し合う材料にしましょう。「条件つきで賛成」の意見から、折衷案が見つかることもあります。
回答率が低いとき、結果を使ってもよいですか?
使えますが、「回答した人の意見」であることをはっきり書きましょう。関心の強い人ほど回答しやすいため、回答率が低いと結果が偏りやすくなります。協力の呼びかけ方は「アンケート協力依頼文の書き方」が参考になります。