クロス集計とは
アンケートの集計には、大きく分けて2つの段階があります。
- 単純集計 — 質問ごとに「満足:40%、普通:35%…」のように全体の割合を出す
- クロス集計 — 「20代では満足が◯%、50代では◯%」のように、属性ごとに分けて比べる
全体の数字だけを見ると「満足度はまあまあ」で終わってしまう結果でも、属性別に分けると「利用1年未満の人だけ満足度が低い」のような、手を打つべきポイントが見えてくることがあります。集計・分析の全体の流れはアンケート集計・分析のやり方で紹介しているので、この記事ではクロス集計の手順と読み方に絞って解説します。
1. 何と何を掛け合わせるかを先に決める
クロス集計は組み合わせが無数にできるため、思いつくまま表を作ると読み切れなくなります。先に「確かめたいこと」を一文で書いてから、軸を決めるのがおすすめです。
| 確かめたいこと | 表の行(属性) | 表の列(結果) |
|---|---|---|
| 新しい利用者ほど不満が多いのでは? | 利用期間 | 満足度 |
| 平日の参加希望は年代で違うのでは? | 年代 | 参加しやすい曜日 |
| 部署によって研修の評価に差があるのでは? | 部署 | 研修の評価 |
属性の質問(年代・利用期間・部署など)がそもそもアンケートに入っていないと、クロス集計はできません。設計段階で入れ忘れないよう、属性質問の置き方はアンケートの質問の順番の決め方も参考にしてください。
2. 回答データを表計算ソフトに取り込む
RAKUFOでは、回答一覧から回答をCSVでダウンロードできます。CSVは1行が1件の回答で、先頭に「回答ID」「送信日時」「対応ステータス」、続いて各項目の回答が並びます。ラジオボタンやプルダウンの回答は選択肢の表示名で出力されるので、そのまま集計に使えます。
チェックボックス(複数選択)の回答は、1つのセルに「A, B」のようにカンマ区切りで入ります。クロス集計に使う場合は、選択肢ごとに「選んだら1、選んでいなければ0」の列を作ってから集計すると扱いやすくなります。
Googleフォームを使っている場合のスプレッドシート連携は、Googleフォームの回答をスプレッドシートで集計する方法で解説しています。
3. ピボットテーブルで表を作る
ExcelやGoogleスプレッドシートのピボットテーブルを使うと、手で数えずに表を作れます。
- 回答データ全体を選択し、ピボットテーブルを挿入する
- 行に属性(例:年代)を入れる
- 列に結果(例:満足度)を入れる
- 値に回答IDなど空欄のない列を入れ、集計方法を「個数(COUNTA)」にする
- 表示形式を「行の合計に対する割合」に切り替える
例えば次のような表ができます。
| 年代 | 満足 | 普通 | 不満 | 回答数 |
|---|---|---|---|---|
| 20代 | 30% | 40% | 30% | 20件 |
| 30代 | 45% | 35% | 20% | 40件 |
| 40代以上 | 55% | 35% | 10% | 60件 |
※数値は説明用の例です。
4. 読み間違えないための注意点
割合は「どちらの合計に対してか」を確認する
上の表は「各年代の中での割合」です。これを「満足と答えた人のうち何%が20代か」と読むと、意味がまったく変わります。表の見出しや注記に、何を100%としているかを必ず書いておきましょう。
回答数が少ないグループの差は割り引いて見る
回答が5件しかないグループでは、1人の回答で割合が20ポイントも動きます。各行に回答数(n)を並べて表示し、件数が少ないグループは「参考値」として扱うのが安全です。目安として、グループの区切りを粗くする(例:「20代」「30代」を「39歳以下」にまとめる)方法もあります。
差があっても「原因」とは限らない
「40代以上は満足度が高い」という結果が出ても、年代そのものが理由とは限りません。40代以上に長期利用者が多いだけ、ということもあります。気になる差が見つかったら、別の属性(利用期間など)でも分けてみて、同じ傾向が出るか確かめましょう。
掛け合わせすぎない
属性を3つも4つも同時に掛け合わせると、1マスあたりの件数が少なくなり、偶然の差が目立ちやすくなります。基本は「属性1つ × 結果1つ」で十分です。
5. 結果を報告にまとめる
クロス集計の表は、そのまま貼るより「何が言えるか」を一文で添えた方が伝わります。
- ✕「年代別満足度は表のとおりです」
- ◯「満足度は年代が上がるほど高く、20代では『不満』が3割を占めました(回答数20件のため参考値)」
自由記述の意見と組み合わせて「なぜ20代は不満なのか」を補足すると、次の改善につなげやすくなります。自由記述の整理方法はアンケートの自由記述回答のまとめ方、報告書の書き方はアンケート結果報告書の書き方をご覧ください。
よくある質問
クロス集計に使う属性は、選択式と自由入力のどちらで聞くべきですか?
選択式がおすすめです。年齢を自由入力にすると「35」「35歳」「三十五」などの表記ゆれが出て、集計前に整える手間がかかります。「20代」「30代」のような区分を選択肢で用意しておくと、そのまま集計できます。
回答数は何件あればクロス集計できますか?
一律の基準はありませんが、分けた後の各グループの件数が少ないほど結果がぶれやすくなります。件数が少ないときは、グループの区切りを粗くするか、割合よりも件数そのものを示して「傾向の参考」として扱うのが無難です。
満足度を5段階で聞いた場合はどう集計しますか?
選択肢ごとの割合を並べる方法のほか、「満足+やや満足」の合計を比べる方法もあります。点数(5〜1点)に置き換えて平均を比べる方法もありますが、平均だけでは「満足と不満に二極化している」ような傾向が見えにくくなるので、割合の表と合わせて確認しましょう。5段階評価の質問の作り方は星評価・5段階評価を使ったアンケートフォームの作り方で紹介しています。