アンケートの最後にある「ご意見・ご要望をご自由にお書きください」欄。回答が集まると、内容がばらばらで「どうまとめればいいのか分からない」と手が止まりがちです。
自由記述は、選択式の質問では拾えない具体的な気づきが得られる大切な情報源です。この記事では、自由記述の回答を分類して数え、報告に使える形にまとめるまでの手順を、例を交えて解説します。集計・分析全体の考え方はアンケート集計・分析のやり方もあわせてご覧ください。
まとめる前に決めておくこと
いきなり読み始める前に、次の2点を決めておくと作業がぶれません。
- 何のためにまとめるのか:「次回イベントの改善点を探す」「サービスの不満点を把握する」など、目的によって注目すべき意見が変わります。
- 誰に報告するのか:上司や役員向けなら要点と件数、現場の担当者向けなら具体的なコメントを多めに、と出し方を変えます。
自由記述をまとめる5つの手順
1. 回答を一覧にして、まずは全部読む
回答をCSVなどで書き出し、スプレッドシートに1行1回答で並べます。最初は分類を考えずに、ざっと全体を読みます。全体を一度読むことで、どんな話題が多いのか感覚がつかめます。
2. 分類(カテゴリ)を作る
読みながら、似た内容をまとめるための分類を作ります。たとえばイベント後のアンケートなら、次のような分類が考えられます。
| 分類 | 回答の例 |
|---|---|
| 会場・設備 | 「会場が少し寒かった」「駐車場が分かりにくかった」 |
| 内容・プログラム | 「質疑応答の時間がもっとほしい」 |
| 案内・事前連絡 | 「開始時間の案内が直前だった」 |
| 良かった点 | 「スタッフの対応が丁寧だった」 |
| その他 | どれにも当てはまらないもの |
分類は最初から細かくしすぎないのがコツです。5〜8個程度から始めて、件数が多い分類だけ後から分けると整理しやすくなります。
3. 各回答に分類を付ける
スプレッドシートに「分類」の列を追加し、1件ずつ分類を付けていきます。1つの回答に複数の話題が含まれている場合(例:「内容は良かったが会場が寒かった」)は、分類を2つ付けるか、回答を話題ごとに分けて行を増やします。どちらの方法にするかは最初に決めて、途中で変えないようにしましょう。
あわせて「良い意見/改善要望/質問」のような向きの列を作っておくと、報告のときに整理しやすくなります。
4. 分類ごとに件数を数える
分類が付いたら、分類ごとの件数を数えます。スプレッドシートの集計機能(ピボットテーブルやCOUNTIF関数など)を使うと手早くできます。具体的なやり方はGoogleフォームの回答をスプレッドシートで集計する方法も参考にしてください。
件数は目安です。1件だけの意見でも重要なものはあります(安全面の指摘や、多くの人が言い出しにくい不満など)。件数だけで優先度を決めないようにしましょう。
5. 代表的なコメントを選んで報告にまとめる
報告では「分類ごとの件数」と「その分類を代表するコメント」をセットで示すと、読み手に伝わりやすくなります。
会場・設備(12件):室温や駐車場の案内に関する意見が多く寄せられました。 代表的な声:「会場が少し寒く、上着が必要だった」
コメントを引用するときは、個人が特定できる情報(名前・部署・具体的なエピソード)を取り除くか、要旨に言い換えてから載せましょう。回答者に結果を伝える文書の書き方はアンケート結果報告書の書き方も参考になります。
まとめるときの注意点
- 強い言葉に引っ張られすぎない:厳しい表現のコメントは印象に残りやすいですが、件数としては少数のこともあります。全体の中での位置づけを確認しましょう。
- 担当者の解釈を混ぜない:分類するときは書かれている内容をもとにし、「たぶんこう言いたいのだろう」という推測で分類しないようにします。迷ったものは「その他」に入れて、最後にまとめて見直します。
- 複数人で分類するときは基準をそろえる:最初の20件ほどを全員で分類してみて、ずれがないか確認してから分担すると、仕上がりのばらつきを減らせます。
そもそも、まとめやすい自由記述にするには
まとめる手間は、質問の作り方でも減らせます。
- 「ご意見をご自由に」ではなく、「会場や設備について、改善してほしい点があればお書きください」のようにテーマを絞る
- 選択式の質問で全体の傾向を聞き、自由記述はその理由を聞く補足として使う
- 自由記述欄は1〜2問にとどめ、回答者の負担を増やしすぎない
質問文の書き方はアンケートの質問文の書き方で詳しく解説しています。
RAKUFOで自由記述の回答をまとめる場合
RAKUFOでは、届いた回答を回答一覧で確認でき、CSVで出力してスプレッドシートで分類・集計できます。回答一覧では回答内容のキーワードで絞り込めるため、「駐車場」「時間」など気になる言葉を含む回答だけを拾い出すこともできます。入力欄に文字数の上限を設けたい場合は入力欄に文字数制限を設定する方法もご覧ください。
よくある質問
自由記述の回答が数百件あり、全部読み切れません。どうすればよいですか?
まず100件ほどを読んで分類を作り、残りはその分類に当てはめていく方法が現実的です。当てはまらない回答が増えてきたら、その時点で分類を追加します。キーワードで絞り込んで、似た回答をまとめて分類するのも効果的です。
「特になし」「なし」といった回答はどう扱えばよいですか?
分類の対象から外し、「有効な記述の件数」とは別に数えておくとよいでしょう。報告では「回答者◯人のうち、自由記述欄に記入があったのは◯件」と書くと、全体の中での重みが伝わります。
分類の名前はどのように付ければよいですか?
報告を読む人がひと目で内容を想像できる、具体的な名前にするのがおすすめです。「その他」が全体の多くを占めている場合は、分類の作り方を見直すサインです。