「参加する人にだけ人数を聞きたい」「法人と個人で聞く内容を変えたい」――アンケートや申込フォームでは、回答者によって答えてほしい質問が変わることがよくあります。Googleフォームでは「セクション」と「回答に応じてセクションに移動」を組み合わせることで、このような条件分岐を設定できます。
この記事では、Googleフォームで条件分岐を作る具体的な手順と、設定が崩れやすいポイントを解説します。Googleフォームの基本的な作り方はGoogleフォームの作り方|質問追加から共有までの手順を解説をご覧ください。
Googleフォームの条件分岐の仕組み
Googleフォームの分岐は「質問単位」ではなく**「セクション(ページ)単位」**で動きます。
- フォームを複数のセクションに分けておく
- 分岐の起点になる質問で、選択肢ごとに「次にどのセクションへ進むか」を指定する
- 各セクションの最後にも「このセクションの後にどこへ進むか」を指定できる
つまり、「質問Aで◯◯を選んだ人はセクション2へ、△△を選んだ人はセクション3へ」という形で、ページごと飛ばす仕組みです。1ページの中で質問を出したり隠したりする仕組みではない点を押さえておくと、設計しやすくなります。
条件分岐を設定する手順
ここでは例として、懇親会の出欠フォームで「参加する人にだけ人数と食事の希望を聞く」分岐を作ります。
- 分岐の起点になる質問を作る。「懇親会に参加しますか?」という質問を作り、形式を「ラジオボタン」(またはプルダウン)にして「参加する」「参加しない」の選択肢を入れます。分岐を設定できるのはこの2つの形式だけなので、形式選びが最初のポイントです
- セクションを追加する。右側のツールバーにある「セクションを追加」アイコンを押し、「参加者向けの質問」セクションを作って、人数や食事の希望の質問をその中に入れます。必要に応じて最後に「共通の質問」セクションも追加しておくと、分岐後に全員を合流させやすくなります
- 選択肢ごとの移動先を指定する。起点の質問の右下にある「︙」(その他のオプション)から「回答に応じてセクションに移動」を選ぶと、各選択肢の横に移動先のプルダウンが表示されます。「参加する」→「参加者向けの質問」セクション、「参加しない」→「フォームを送信」(または共通の質問セクション)のように設定します
- 各セクションの「次の行き先」を確認する。各セクションの下にある「セクション◯以降」の設定で、そのセクションの後にどこへ進むかを指定します。初期値は「次のセクションに進む」なので、並び順によっては意図しないセクションに流れ込むことがあります
- プレビューで全ルートを試す。画面上部の目のアイコン(プレビュー)を開き、選択肢ごとに最後まで回答して、想定どおりのセクションが表示されるか確認します
分岐が崩れやすい3つのポイント
1. セクションの「次の行き先」の設定漏れ
いちばん多いのが、分岐先のセクションを答え終わった人が、そのまま次に並んでいる別の分岐先セクションへ進んでしまうケースです。たとえば「法人向け」「個人向け」の2セクションを順に並べた場合、法人向けセクションの行き先を「共通の質問」に変えておかないと、法人の回答者が個人向けの質問にも答えることになります。分岐先セクションの最後は、必ず合流先を明示しておきましょう。
2. 1つのセクションに分岐の質問を複数置く
同じセクションの中に「回答に応じてセクションに移動」を設定した質問を複数置くと、どの設定が優先されるのかが分かりにくくなり、意図しない流れになりがちです。分岐の起点になる質問は、1セクションにつき1つにしておくと管理しやすくなります。
3. チェックボックス(複数選択)では分岐できない
Googleフォームの分岐は、ラジオボタンとプルダウンの質問でのみ設定できます。「当てはまるものをすべて選択」のチェックボックス形式では移動先を指定できないため、分岐させたい場合は質問の聞き方を「単一選択」に変えるか、「◯◯に当てはまりますか?(はい/いいえ)」のような質問を分けて用意する必要があります。
回答データの見え方
分岐で通らなかったセクションの質問は、回答一覧や連携したスプレッドシート上では空欄になります。集計の際に「空欄=未回答」なのか「空欄=対象外(分岐で表示されなかった)」なのかが区別しにくくなるため、起点の質問の回答とあわせて見るようにしましょう。集計の考え方はアンケートの集計・分析のやり方も参考になります。
分岐を設計するときのコツ
- 先に流れ図を書く。起点の質問・選択肢・移動先を紙やメモで図にしてから作り始めると、行き先の設定漏れを防げます
- 分岐は2〜3段階までに留める。分岐の中にさらに分岐を重ねると、後から質問を修正したときに確認すべきルートが一気に増えます
- 氏名・連絡先などの共通項目は分岐の外に置く。全員に聞く項目は最初か最後の共通セクションにまとめると、見直しが楽になります
Googleフォーム以外で分岐を作る場合
Googleフォームの分岐はページ(セクション)単位のため、「1ページの中で、ある選択肢を選んだときだけ次の質問を表示したい」といった細かな出し分けには向きません。RAKUFOでは、選択肢ごとの移動先の指定に加えて、回答内容に応じて質問の表示・非表示を切り替える設定も用意しています。考え方と設計手順はフォームの条件分岐で回答を出し分ける方法で紹介しています。
よくある質問
Q. 分岐した先の質問を「必須」にしても大丈夫ですか? A. 問題ありません。必須設定は、実際に表示されたセクションの質問にだけ適用されます。分岐で通らなかったセクションの必須質問が原因で送信できなくなることはありません。
Q. 「戻る」ボタンで前のセクションに戻って答えを変えるとどうなりますか? A. 回答者は「戻る」で前のセクションに戻り、起点の質問の答えを選び直せます。選び直した答えに応じて、次に進むセクションも変わります。答えを変えたときの流れもプレビューで一度試しておくと安心です。
Q. テキストや数字の回答内容で分岐させることはできますか? A. Googleフォームの「回答に応じてセクションに移動」は、ラジオボタンとプルダウンの選択肢にのみ設定できます。記述式の答えの内容で分岐させたい場合は、「◯歳以上ですか?」のように選択式の質問に置き換えて設計するのが現実的です。